10人が本棚に入れています
本棚に追加
「あ、ああ。こんにちは」
渋い声のおじ様という雰囲気の男性だった。
――家のお父さんとはまた違う感じの人だなぁ。
「真帆さんって言うんだって。もう、パパったら、人間のお客さんにそんなにびっくりした〜?」
「まあ……めったに会わないからな」
「うん、うん、そうだよね~」
アリッサは嬉しそうに頷いている。
「ああ、そうそう、アリッサ。喜ぶのは良いけど、真帆さんがこの世界に来たのなら教えてあげないと」
アリッサの母親はアリッサに伝える。
「あ、そっか。真帆さん、あのね。言いづらいんだけど……」
「はい」
「この世界では人間が伝説だと言いましたよね?」
「はい」
「家は迷信だと思っているんですけど、人間が現れると災いが起きるから不吉だと言う言い伝えもあるんです……」
「え……?」
「まあ、家とフレッドの家はあたしを始め人間好きだから、変わってるって周りに言われてるんですけどね」
アリッサは困ったような顔で笑顔を見せる。
「あ、だから……」
「え?」
「さっき、ここへ来る途中遠くから見てる人達がいたので、そういうことなんですね?」
「あ〜、多分警戒されてると思います」
「警戒……」
「もちろん、真帆さんが不吉なんてあたし達は思ってないですよ?」
「ありがとうございます」
最初のコメントを投稿しよう!