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エピローグ
文化祭の翌日は振替休日だ。
一応、「文化祭の写真はＳＮＳなどにアップしないで下さい」と注意書きを校内のあちこちに貼っていたんだけど、他校の生徒が勝手にうちのクラスのショーの動画をインターネットに投稿したらしく、クラスの女子が手分けして削除依頼をして回ったそうだ。「約束を守ってもらえない場合、来年から文化祭の来場に規制がかかる可能性があります」と説明したところ、ほとんどの写真と動画は削除されたらしい。転載されたデータについては知らん。
一応、伊織に「大丈夫か？」とスマホで連絡したら、「そっちは？」と返された。「芸能事務所からのスカウト待ち」とふざけて送ったら、「来たら教えろよ」と笑いの絵文字で返ってきた。気にしてなさそうな返事をもらえて、ほっとした。
ところで家に帰ったら、文化祭を見に来ていた姉に「うっかり愛とか芽生えなかったの？」と早速イジられた。身内にこういう人間がいると、外でからかわれたって動じなくなるもんだ。
「リアルで閉じ込められる箱って、お題として魅力的～。創作がしたたるわ～」と言われたんだが、姉がこれから何を創作するのか、弟としては全力で無関係でいたい。
まあ、箱にぎゅう詰めで爆睡出来たのは得難い体験だったけどな。二度とないだろ！ ……多分。
（終）
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