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溢れんばかりの量に加え、耐えがたいこの臭い。俺は影の陰茎と共に口内の異物を必死に吐き出した。そして、吐き出されたものを見て、ぎょっとした。
口内から出てきた液体は、よく知る粘度のある白い液体ではなく、黒く淀んだタールのような液体だった。
「――ひぃっ」
畳の上に、唾液と共にドロリと広がるタール状の液体。異様なもの目の当たりにし、身体が竦む。
混迷し鈍る思考が、一瞬遅れてこの異常性に戦く。俺は押さえ付けられた身体を必死に暴れさせ、ここから逃げだそうとした。
どうにか左腕一本の自由を取り返した。が、解放された腕で影を振り払おうとしても、触れそうになると影は実体をなくし、俺の腕は空しく霞を掻き分けるだけだった。
影は影。実体なんてない。なのに、俺に触れる無数の腕も、俺の中で欲望のまま抽挿を繰り返す陰茎も、確実に実体を伴っている。
堪らず、再び拓馬さんに救いを求める。
……けど、それは無意味なことだった。
今、ここで抗っているのは、俺ただ一人なんだから……。
「ああっ……あひひぃぃ……。あっ、ああぁっ……」
拓馬さんも影に犯されていた。
拓馬さんは背面座位の体勢で犯されている。両足を大きく開き抱える形になっているせいで、俺からは挿入部分が丸見えになっていた。大きく広がったアナルに挿入された陰茎は太く黒々しく、浮かび上がる血管の様子も見える。そんな雄々しい陰茎を、拓馬さんのアナルは拒むことなく受け入れている。むしろ、望んで吸い付いているみたいだった。
影に囚われる前から精神が崩れかかっていた拓馬さんは、影の与える快楽に完全に堕ちていた。
影が陰茎を突き上げるたびに、拓馬さんは焦点の合わない視線を揺らし、狂ったような嬌声をあげている。その様は、まさに狂乱といった感じだ。
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