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「姉ちゃん居ないとつまんねぇな」
「ほんとだねぇ、お兄ちゃん」
二人……英美里の弟と妹は、英美里には隠していたゲーム機を、うず高く積み上げて遊んでいた。
「父ちゃんもよぉ〜姉ちゃんの事、子役にしてやればいいじゃんかなぁ?父ちゃんなら簡単なのに」
「んだねぇ〜」
ゲームに飽きた二人は、夕飯の支度をしている母親の元へ行った。
「なぁ母ちゃん、姉ちゃんに本当の事、言えば?」
英美里の弟が、そう言うと母親は、
「ダメよ?うちは一般家庭でいいの。普通でいいから……ね?」
と顔色一つ変えずに、そう応えた。
「なんでだよう」
「なんでだよう」
二人は膨れて、またゲームをしに行った。
「あの子が子役なんて諦めてくれればいいけど……」
母親は味見をしながら、ため息をついた。
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