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れんは幼なじみのようこちゃんのことを思うと胸がキュとなる。
今まではこんなことなかったのに。
れんの心を占める特別な感情──
いつからか分からないけど、今までのように気軽に話しかけれなくなってしまった。
だから今日もれんは近くの公園に一人で遊びに行った。
砂場にいても、ブランコで遊んでいても、なにをしてもようこちゃんのことで胸がいっぱいだ。
──好き──
感情が溢れ出る。
いつのまにかお日様が赤くなっていた。
すべり台で遊んでいると、ふいに声をかけられた。
「れんちゃん、あそぼ」
ようこちゃんがにこにこしながら手を振る。
れんは顔を真っ赤にした。
「れんちゃん、さいきん遊んでくれないね」
れんは言葉が出ない。
「まえはよくお家に来てくれたし、公園でも遊んでくれたわ」
ようこの笑顔がすこしくもる。
「そ、そんなことないよ」
「じゃ、遊びましょうよ」
「う、うん」
「何して遊ぶ?」
「ジャングルジムで遊ぼうよ」
「うん」
ようこがにっこりした。
れんがジャングルジムにむかって走り出した。
ようこもれんの後を追う。
ふたりは手すりに掴まり登り始めた。
夕焼けがふたりの頬を赤く染める。
れんとようこは日が沈むまでジャングルジムで遊び続けた。
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