パンプキン伯爵の招待状

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 私は封筒からもう一つの手紙を見つけて開いた。そこには「来たる十月三十一日ハロウィンの日に我が屋敷でパーティーを開催します。お友だちの数を記入して返送用の手紙をお送りください」と書いてある。そしてさらに封筒から一枚の便せんがあらわれた。 「ステキ! ステキステキ! ぜひ行きましょう!」  私は急いで羽ペンを探した。しかしグーグーとポポは神妙な顔つきで言った。 「本当に行くのか?」 「危険じゃないですか? 大丈夫でしょうか……」  私は頬を膨らませながら言った。 「だってお母さんの知り合いよ? 大丈夫よ」  それでもグーグーは首をかしげている。 「本当か? おかんはそれ、言わなかったんだろ?」  たしかに、お母さんからパンプキン伯爵のこともハロウィンパーティーのことも聞いていない。けれど大丈夫だろうと言う謎の自信が私にはあった。 「イヤなら行かなくてもいいのよ、グーグー。ポポは一緒に行くでしょう?」 「……ええ、行きます。マリアを一人で行かせられません」  するとグーグーも「オレも行くぜ。気になるからな」と言って飛び跳ねた。 「分かったわ。それじゃあ私と二人の友だちで行きますって送るね」  私はようやく羽ペンを見つけ出すと、同封されていた便せんにお返事を書いた。  そして窓を開けると「フクロウさん、郵便屋さん! お手紙をお願いな」と言った。すると間もなく、巡回中のフクロウが窓までやってきた。さっきとは違うフクロウだった。 「これをパンプキン伯爵へ」  フクロウの首にかかる袋の中へ手紙を入れる。するとフクロウはクワッと口を開いた。 「切手代」 「忘れてた!」  私はお母さんの戸棚から切手である四角いビスケットを取り出すと、フクロウの口に入れた。 「それでは引き受けました」  フクロウはそう言って飛び立つ。私はまた姿が見えなくなるまで見送ると、家の壁に書けてあるカレンダーに丸を付けた。もちろん、ハロウィンの日。三日後だった。
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