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先週末、本部長と初めてのお泊りデートを楽しんだ。帰ってきたら本部長の奥さんから内容証明が届いていた。
せっかくの楽しい気分が台無しだ。
夫から説明を求められ会社の人とふざけたやりとりをしていたのを奥さんが不倫だと騒いでる。そう言った。
それならこっちも弁護士をたてたらいい。
ごねられても慰謝料払わなくて済むならその方がいいだろう。
家の近くにある弁護士事務所に夫が一緒に行ってくれた。
本部長から奥さんとは長くセックスレスだと聞いていたので騒いで振り向かせたいのだろうと話した。
(ほんと気の毒、干物オバさんごときがあの本部長を振り向かせられる訳ないのに。さっさと離婚したらいいのよ)
担当の長谷川という弁護士は相手に会って二、三話を聞き、弁護方針を決めると言った。
長谷川が相手の弁護士と会った後連絡があった。
チャットの内容は誤解を受けても仕方ない内容だ。先方の離婚の決意は固いので、肉体関係がないなら和解金としていくらか支払った方が遺恨が残らないだろうと言い、30万円を支払う事にした。
直接謝罪も要求された。
家に帰り夫から要らぬ連絡を取らない様にとスマホとパソコンを取り上げられた。
夫が離婚届を出してきた。
「美春、今回のことで嘘はないな?」
「っ…もちろん」
「嘘がないならこれを書いてくれ。保険だ。話し合いが無事に終わったら破り捨てよう」
「わかったわ」
大丈夫、チャットの会話だけなら乗り切れる。
専業主婦の干物オバさんが騒いでるだけでしょ?チョロいもんよ。
そう思っていた。
翌週末、奥さん側の弁護士事務所へ赴く、直接謝罪も示談条件のひとつ。
ふん、捨てられるオバさんの顔でも見てやろう。
私は夫に信頼されて、恋人には愛されている。一方の奥さんにはなにもないんでしょ?女の格の違い見せてやる、ふふっ
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