ふたり のはじまり

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眞木菜々美〜22歳 大学卒業後、大手の不動産会社に就職。  総務部に配属され内心ホッとしていた。 部内には男性も少なめでいらぬ気を使う事もなさそうだ。 菜々美の容姿は少しばかり目立つ。高等部になってすぐ、彼氏を取った。誘惑した。とあらぬ疑いをかけられ責められた。 親友の祥子は「外部から来た子でしょ?騒いでるの。幼稚舎から一緒の子達はわかっているわよ」そう言って慰めてくれたものの、腹が立つ。 顔がどうとかスタイルがどうだだとか、顔は父親に似たのよ、体型は母親に似たのよ!私に非はない!なんなら父親譲りの色黒で悩んでるのに‼︎ 校庭の端にあるベンチに座り、理不尽な扱いに我慢出来ず、植え込みに叫んだのを通りがかった男子生徒に聞かれた。 吹き出したらまずいとばかりに口を押さえているけど、それ以上に肩が揺れてる。 気まずさに「ごめんなさい」と謝った。 彼との出会いだ。 すぐ恋に落ちた。 いつも隣に彼がいてくれた。おかげで煩わしかった中傷がなくなった。 かわりに帰国子女で注目されていた彼を射止めた事で妬まれた。 仕方ない、彼は誰もが納得するgood looking だもの。 お互い凸と凹のように2人でひとつだった。 毎日毎日いつも一緒にいた。 彼の微笑みも手の温もりも優しいキスもすべて私のものだと思っていた。 私の全ては彼のもので、ずっと一緒にいられると思っていた。彼が居ないと息もできないと思っていた。 でも高等部3年の秋、別れはやってきた。 彼は父親の海外転勤に伴い一緒に渡米する事になった。 どんなに抗ったとも未成年。所詮親の保護下の子供でしかない。 いつの日か再会できる、と信じ成田で見送った。 2人で旅行に行った翌週の事だった。 私はただただ受験勉強に没頭し、外部進学で女子大へ進んだ。 雑念に振り回されることもなく学業を納め早々に内定を掴んだ。 それがこの会社だった。 彼は…米国の名門大学へ進学し卒業後、そのままアメリカで仕事をしている。と後に風の噂で聞いた。
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