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翌朝、佳佑の腕の中で目を覚ました。
少し早く目覚めた佳佑は菜々美の髪を撫でていた。
「おはよう菜々美」「おはよう佳佑」
「今何時かな?」「7時半かな」
「起きようか?」「そうね」
朝のキスを交わしベッドから出て身支度をする。
今日は自宅までのツーリングになる。
簡単にメイクしてから居間に向かうと佑菜がいた。
「おはよう佑菜、早いのね」
「目が覚めちゃって、6時位から起きてたの」
「昨日眠るの早かったもの、疲れてたのね」
「そうね、早起きしたからお庭お散歩して本館に行ってきたの。女将さんがコーヒー淹れてくださって、お兄ちゃんのパパさんにママの昔話聞いたわ」
「えーなに?変な話じゃないわよね」
「ママは幼稚舎から高等部までお兄ちゃんや佑菜と同じ学校だったでしょ?どうして大学は外部進学したの?」
「パパが、佳佑が居なかったからよ。同じ敷地じゃない?あの学校、佳佑が居ない事に耐えられないだろうな…って。ならいっそ女子だけの大学行こうと思ったのよ」
「ふうん、それでその女子大でミスコンのファイナリストになったんだ」
「どっどうしてそれ知ってるの?」
「お兄ちゃんのパパさんが教えてくれたのよ」
「やだ黒歴史よそれ」
「菜々美はかわいいからな、本気でミスコン出てたら女子アナか女優だよ」
「もう、揶揄わないで」
「世間も認める可愛さだ、自慢して良いぞ」
「おっはよー」「おはようございます」
駿介家族がやって来た。
「お兄ちゃん、ママが大学のミスコン出てたの知ってる?」
「知らない!母さんそれほんと?」
「いゃあ〜聞かないで〜」
皆が口々に揶揄う、賑やかな朝だ。
「おはようございます、朝食お持ちしました。宜しいでしょうか?」女将の声が聞こえた。
並べられた朝食は豪華な和食膳、沢山の小鉢に色鮮やかな食材が並んだ。
「うわぁ綺麗!小鉢の中見て?綺麗だし美味しそう!すごいわ…」
「ではどうぞごゆっくりお召し上がりくださいませ」
仲居さん達が部屋から下がっていった。
「すごく美味しそうだけど、食べきれるかしら」佑菜が不安を口にしたが、ペロリと完食した。
「少食の佑菜が完食とは珍しいな」
佑菜だけでなく皆がきれいに完食し、料理を褒め称えた。
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