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「今日、転校生がやって来るんだって」
「その転校生って、男? それとも女?」
「聞いて驚け。なんと女だ」
「フゥー、やりぃー!」
どうやら彼らは転校生のことではしゃいでいたようだ。そんな彼らに対し、クラスの女子たちは機嫌の悪そうな顔をしている。
そんな喧騒の中、僕は話題の転校生に境遇を重ねていた。
(もしかしたら転校生は今の僕みたいに、クラスに馴染めなかったかも)
勝手に推測しているが、これはクラスに馴染めてない僕にとって、友達をつくる絶好のチャンス。転校生と交流することで、豊かな学校生活を送れるようになるだろうか?
そんな望みを持った所で、HRの時間がやって来た。
扉が開くと、顔面を真っ青にした担任がやって来た。
「ととと、とても急ですが、今日はこのクラスにててて、転校生が来ます……。皆さん、そそそ、粗相のないように」
転校生を迎えるにしては、尋常ではないほどの震えぶりを担任は見せている。担任をここまでにさせる転校生とは一体……。
それとは対照的に、生徒は大いに盛り上がった。
男子生徒を中心に、『粗相のないように』という担任の注意をどこ吹く風と聞き流している。担任は何度も静かにするように注意するが、微塵も静かになる気配がない。
やがて担任はこのグダグダな状況を終わらせにかかった。
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