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誰もなにもしてないことは、明確だった。
この部屋からは出ることもできないし、みんな黒板から遠い場所にいたからチョークを操ることだってできない。
「天野千秋って、千秋のことだよね?」
奈穂の声が震えている。
この非現実的な状況でなぜ千秋の名前が出現したのか、考えないといけない。
それなのに、恐怖心が勝ってうまく思考回路が働いてくれない。
「せ、先生ホームルームで言ってたよね?」
奈穂はどうにか自分の記憶をたどり、昨日の朝のことを思い出したのだった。
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