珠美の告白

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特別仲が言い訳ではなかったふたりだけれど、ここ数週間で距離が縮まる出来事があったのだ。 それは偶然行った映画館での出来事だった。 沢山席がある中で、奈穂は偶然珠美の隣の席に座った。 そして買っていたジュースが同じ種類のものだったのだ。 小さな偶然が重なったことが嬉しくなってふたりはよく話すようになった。 話してみれば映画の趣味が同じで、奈穂が見ている映画を珠美も見ていることがわかった。 「今度公開のミステリー映画、見に行くよね?」 この日も映画の話がしたくてふたりは一緒に帰る約束をしていたのだ。 ふたりで教室から出たタイミングで、さっそく珠美が奈穂に映画の話題を振った。 「もちろん! 一緒に行く?」 「行く行く! 絶対に見逃せないもんね」 ふたりで新作映画について盛り上がっていたところに、後ろから豊が声をかけてきたのだ。 「珠美」
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