16人が本棚に入れています
本棚に追加
「相澤陸(アイザワリク)くんだ。皆、仲良くするように」
担任に紹介され、陸は「よろしくお願いします」と言ってぺこりと頭を下げた。主に女子達から拍手が起こる。
「あー、席は……青山の隣あいてるな。とりあえずそこで。青山、教科書見せてやって。急だったから間に合ってなくてな」
「はい、分かりました」
担任に指示され、陸は一颯の隣に歩いて来てぺこりと頭を下げた。
「どーも」
一颯も頭を下げ、陸は隣の席に着いた。
ホームルームを終え、担任が出て行った途端、女子達がスマホを片手に二人に近づいてきた。
「最強のツーショットなんだけど!撮ってもいい?」
「イケメン二人組の破壊力すごっ!」
「このクラスで良かったあ!」
勝手に二人組にされて、周りを囲まれてしまった。
「おい、ちょっと勝手に撮んなって。悪いな、相澤」
一颯が庇うと「別にいいんじゃない」と陸は薄く笑った。
「え、いいのか?」
「うん、別に」
そう言うといきなり陸は椅子を一颯に近づけ、肩を抱いてきた。
「これでいいか?」
「え、ちょっ……」
一颯は、嬉しさを隠しきれず、口元の緩んだおかしな顔になってしまった。
しばし、きゃあきゃあ騒ぐ女子達に囲まれ撮影会が始まる。その間、肩に置かれた陸の手を感じ、一颯は心臓がバクバクしてしまった。
最初のコメントを投稿しよう!