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優しくキスをされ、シャツのボタンを外された。水野の少し冷たい手が一颯の身体を確認するように撫でる。 一颯は、緊張で身体を硬くし、目をギュッと閉じた。 水野の手が一颯のデニムのボタンを外し、ファスナーが下ろされると、一颯はピクリと身体を硬くした。 「緊張してる?」 水野の声がして、一颯は目を開ける。 「ん、ちょっと……」 下着の上から前を撫でられたが、少しも興奮してこなかった。 「今日は、やめとこうか」 諦めたように水野に言われ、何故か一颯はホッとしてしまった。 「ごめんなさい……」 一颯は、身体を起こして項垂れて言った。 水野は黙ったままで、またファスナーをあげ、ボタンを掛けてくれている。 「大丈夫だよ」 水野は、優しく言うと、そっと抱きしめてくれた。 一颯は、「ごめん……」と言いながら泣いた。 それは水野に対してなのか、独りで待っていることが出来なかった陸に対してなのか、自分でも分からないでいた。
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