プロローグ

1/1
前へ
/47ページ
次へ

プロローグ

人は何故一番になりたがるのだろうか。 青山一颯(アオヤマイブキ)は、テスト用紙を前に、どの問題を間違えようかと考えていた。 1問だけ間違えるか、もう1問いっとくか? この前は、2問、間違えてうまく学年二番になれたよな、と思い起こす。 全ての面倒事は、一番になることで起こる。期待され、追いかけられ、もっともっと上を目指せと言われる。 ところが、二番なら一番を目指せばいいだけのこと。それ以上の期待は掛けられない。 (おし、2問間違えよっと) チャイムがなる五分前。一颯はわざと問題を間違いに書き直した。
/47ページ

最初のコメントを投稿しよう!

16人が本棚に入れています
本棚に追加