この関係を壊そうか〜あなたとあたしの奇妙な関係〈後編〉

告白

「そうか。残念だな」

困ったように溜め息をついて、近くに置いてある椅子に座る。

「立花さん。まさか、愛花ちゃんにまで手を出そうとしているんですか？」

「………は？」

「あの娘は、まだ小学生ですよ!!　それに持病の……『おいおい。俺は、そこまで飢えていないって』

海原さんの慌てたような声を聞いて、一哉叔父さんは馬鹿にしたような溜め息をつく。

「愛花ちゃんの体調を心配して見に来たんだけどな」

ふっと小さく笑って、一哉叔父さんは面白そうに唇を歪めていた。

「信用されていないんだな。そんなに心配なら、直接本人に聞いてみたらどうですか？和文君」

懐から取り出した煙草を咥えて火を点ける。

ふぅと軽く息を吐いて、一哉叔父さんはあたしに視線を向けた。

「ところで。学校はどうしたんだ」

「あたしは…」

スカートを握りしめて、面白そうに見ている一哉叔父さんを見つめた。

「なるほどね、あのお嬢さんか!!」

「え？」

「何か言われたんだろ？三河さんに」

「言われていません!!」

「ふぅん…。」

再び煙草を口に咥えて息を吸うと、天井に向けて煙を吐いた。

「ま、無理しないでもいいけど。でも、こんな時間にいる方が変だよね？俺は、今日午後から用事があって特別に休みを貰ったんだよ」

黒い笑みを浮かべて一哉叔父さんは、面白そうに微笑んだ。

「しかし。本当にあゆちゃんって大人しいよね」

「いけませんか？」

一哉叔父さんの悪戯っぽい声に、思わずあたしは声を荒げてしまった。

「それでいいなら構わないけども、それに控え目な女の子って男性には良い印象を与えるんだよね」

一哉叔父さんは、何故か後ろに立っていた海原さんを意味深に見ている。