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「あ、あゆちゃん。この…際、全部…面倒を見てもらったら?」
そ、それって。
どういう意味ですか?
「あの!あたしは…『質問、あゆちゃんって料理出来るかな?」
断ろうと口を開いたあたしに、海原さんが質問をする為に遮る。
り、料理?
「で、出来ません…」
真っ赤な顔をしてあたしは俯いてしまう。
「俺だったら出来るし、それに病院からとっても近いんだよね。誠さんの家は」
「でも!これ以上は海原さんにご迷惑はかけられません」
きっぱりと言い切ったあたしに、海原さんは驚いたように目を大きく見開いていた。
「………別に迷惑だなんて思っていないけど」
「え?」
悲しそうに顔を歪めている海原さんに驚いてしまう。
「あ、あの。あたし、そういう意味で言ったわけじゃ………『ま、いいか。後で、愛花ちゃんの様子もみたいし。ね?』
オロオロしながら言葉を考えていたあたしに、ふっと小さく笑っていた。
「そろそろ本格的に行かなくては」
くすりと小さく笑った海原さんは、椅子に座っている一哉叔父さんに何やら話をしている。
小さい声でなんて言っているのかはわからない。
だけど、一哉叔父さんの顔が青ざめていくのがわかった。
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