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「あー、まだ体験先決まってないグループある?」
ずっと黙っていた先生が口を開いた。
「決まってない」と言うグループは居なかった。
「どこも決まったねー。次は班長と副班長決めて、決まったら職場体験のしおりを書き込んどいてー」
班長…か、僕は学級委員があるから辞めておこう。あまってたら副班長ぐらいでいいや。
ーーーまてよ。班長と副班長が奈緒ちゃんと大司だったら。
一緒に居る時間が長く!話す機会も多く!
「班長の主な仕事はーーー」
先生が話している間、隣に居る奈緒ちゃんに声をかけた。
「奈緒ちゃん、班長やる?」
「んー、優吾がやらないなら」
「僕は学級委員だからやめておくけど」
「じゃ、やる〜」
奈緒ちゃんはどうやらやるようだ。大司は前に居る。けどさすがに先生にバレるからあとで言おう。
「じゃー決めといて〜」
先生が話を終えた。
「班長やりたい人っ!」
僕はテンポよく聞いた。ふたり居たらじゃんけんとなるがーーーそれは運に任せよう。
「んー?居ないの?じゃあ私やるよ」
奈緒ちゃんはやりたい人が居ない為、班長をやることになった。
「みんな賛成〜?」
「賛成ー!」
拍手と共に賛成という言葉を全員が発した。
「副班長はー?」
…
誰もやろうとしなかった。
僕は大司に声をかけようとした。
そしたら中井が。
「優吾、やんないのー?」
と、僕を推薦してきた。
「でも、僕、学級委員だから…」
僕は拒んだ。特にやる気もないし、学級委員との両立は大変だ。学級委員長も僕はやっているのだから。
「俺がやる、暇だし」
大司は僕が何も言わずとも自分から立候補した。
「あ、じゃー決まり!」
拍手が聞こえた。
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