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「じゃあ班長と副班長、意気込みを!」
中井は非リアのことを忘れているようだ。
気分屋なやつめ。
「えーと、職場体験、体験先の方々に迷惑をかけないようにし、『来てくれて良かった』と思ってもらえるようにしましょう!」
奈緒ちゃんが意気込みを言った直後、
「えー、バカなん?体験先行ってもあんたらが役に立てるわけ無いやんww」
他グループの人が僕たちのグループを侮辱した。
僕の大嫌いな聞き覚えのある声だった。
「おい横田っ何言ってんだよ!?」
中井が怒鳴った。
奈緒ちゃんは深海に沈んでしまいそうだった。
「だってさ、奈緒さー、班長なったからってイキリすぎなんだよw最近腹立つしさー、大司君もそう思うよね?」
そっか、さっき奈緒に向けたあの鋭い視線、そういうことだったのか。
横田は大司のことが好きなのか。
だが、奈緒ちゃんと大司君が仲良さそうに話している所をみて、嫉妬したのか。
修羅場ってやつか。
恋愛弁護士の僕はこういう修羅場はしょっちゅう立ち会ってきた。
が、最初にすることはひとつ。
見物だ。
僕ば下手に間に入ってもヒートアップするだけだ。
その後仲裁に入る。
ここは僕ば黙っとこう。
でも、大司君は何と言うだろうか。
大司は険しい表情で、落ち着いた声で言った。
「何言ってんの?お前の方が腹立つ」
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