〜エピローグ〜

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「はぁ。中間テスト、数学の点数が90点だなんて…。勉強しないとなぁ」 これでも十分高い気がする。彼の中間テスト間近の2週間の合計勉強時間は60時間。みんなは40時間程。少ない人は15時間だ。多いだろう。これより勉強するなら、彼は学校の一室に恋愛弁護事務所を構えている。弁護士は恋愛弁護士こと優吾だけ。毎日無料で恋愛の悩みを聞き、アドバイスを出し、解決している。だが、全てがハッピーエンドとは限らない。叶わぬ恋を抱く人も居る。そういう人には相談に乗り、カウンセリングをし、彼らの心を治癒している。恋愛弁護事務所は毎日大忙し。テスト期間は恋愛弁護事務所を自粛し、勉強をしている。だが、緊急の相談は受けている。 たとえば告られたとか…。 そして優吾は絶対に相談者の秘密を漏らさない。たかが中学生だからと、心配する人も居るが、恋愛弁護事務所の関係者にしか話さない。そもそも恋愛弁護士は優吾しかいないのだから、漏らしようがない。 それも恋愛弁護事務所の信頼に繋がるのだった。 恋愛弁護事務所の唯一の敵は先生たちだった。 だって勝手に使っているのだから。元天文部の部室を使っている。天文部は廃部になってしまった。天文部室はとても広く、目立たない所にあり、相談者が噂になることも少なく、事務所にもちょうどよかった。
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