月夜のプロポーズ~バナナを添えて~

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 この世界に住むようになって、もう一ヶ月ほど経つが、色々と気づいたことがある。  まず、この世界には「夜」というものが存在するらしい。  僕のいた世界はいつも明るい。この世界でいうところの「朝」と呼ばれる時間帯がずっと続いている。だから寝るときには部屋を真っ暗にしてカーテンを閉めて外の光が入らないように工夫しないといけない。  そして気づいた。夜になるとたまに空に大きなバナナが浮かんでいることがあることを。  僕はなんとか空に浮かぶバナナを食べたいと思うのだけど、空は遠くて、僕の手ではバナナには全然届かない。  空を飛ぶことができれば、とは思うのだが、僕にはそんな力はない。  やはり諦めるしかないのかな。そう思ってぼんやり空に浮かぶバナナを眺めていたのだけれど。 「空を飛びたいの?」  いきなり後ろから声をかけられた。
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