指輪

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指輪

離婚するにあたって、妻が置いてあった所持品を引取りに来た 年下の彼氏とは別れたらしい 新しく人生をやり直すという あなたのことが大好きだったの 妻がそういって涙ぐんだ どう答えていいのかわからず 元気でな とだけ告げた 広くなったリビングは 孤独な影を色濃くしていた いつまでも落ち込んでいても仕方ない 俺も要らないものは捨ててしまおうと 部屋を片付けはじめる ん? これは 彼女が唯一 欲しいと言ってきた お揃いの指輪 いつか一緒につけようなって、、 彼女と いつか、、、 それも、もう、、 もう、叶わなくなってしまった、、 俺の気持ちなんかそっちのけで 日常が過ぎ去っていく 指輪を捨てようと彼女と最初に出会った海に来てみたが 彼女の笑顔がずっと脳裏に焼きついて離れない クリスマスイブ 彼女はどんな気持ちで俺の事を待っていたのだろう 雪が降っていたね どんな気持ちで 彼女は 1人で過ごしたのだろう 捨てることなんてできないよ 無理だよ 君を諦めるなんて 俺にはできない [指輪 〜完〜]
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