俺の彼女はチアリーダー

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 我が大学のチアリーダーが学園内でプリティ且つナイスバディと評判なので或る日、俺は大学野球リーグの試合が行われる球場に赴き、味方側の応援席に陣取ると、応援団と一緒に応援しなければいけないので敢えて敵方の三塁側学生内野席に陣取った。何故なら一塁側内野スタンドで我が大学の応援を繰り広げる応援団のチアリーダーを望遠デジタルビデオカメラで撮影する為だ。  モニターに映る彼女は多彩な動作やポーズをチアダンスのスペシャリストたるAIロボットのように正確に確実に繰り返し、これでもかという位にプリーツミニスカートをはためかせ、パンチラして見せる。実に甲斐甲斐しく溌剌と笑顔でして見せるのだ。而も噂に違わぬルックスとスタイルで以て、だから俺は当然の如く性欲を掻き立てられ堪らない気持ちになった。  勿論、本人は応援の為に踊ることとミスらないように踊ることとで一生懸命なのであってセックスアピールしている訳ではないと思うが、俺にとってはそう見えてならないのだ。尤も彼女は俺のことも俺が撮影していることも知らないから俺個人に対してでなく俺を含め見ている男全員に対してということだが、本人はその気でなくても俺はその気になるのだ。嗚呼、悩ましいったらありゃしない。罪な女だと言わなければならない。しかし、勝手にそういう状況に追い込まれるお前の方がいけないんじゃないかと言われればそれまでだ。況して本人の許可なく内緒でビデオ撮影している俺は、盗撮しているような立場なのだから、しかし、そもそもそうさせたくなるようにする方がいけないんじゃないのか、大体、性的刺激を与えるようなものが選手の応援に相応しいのか、相応しい訳ない。一体誰がそんな必要ないものを考案したのかと俺は甚だ疑問に思う。ま、アメリカのチアリーダーの真似事から始まったんだろうが、単なる見世物にしても野球を見に来ている者たちに必要なのか、必要な訳ない。しかし、俺は野球を見に来ているのではなくチアリーダーの彼女を見に来ているのだ。  それは兎も角、俺は帰宅後、早速ユーチューブに彼女の動画をアップした。それまで俺は車が好きなのもあってサーキットのレースクイーンやモーターショーのコンパニオンを撮影した動画をアップして少数の再生回数に甘んじていたのだが、SNSの書き込みか何かで彼女の見てくれのみならず大向こうを唸らせるチアダンスが話題を呼んで拡散したのだろう、いきなりバズって晴れて広告料を頂ける正真正銘のユーチューバーになっちゃいました。いやあ彼女様々。  で、彼女目当てに球場に訪れる者が全国各地から殺到して取材陣も各メディアから殺到して彼女は一躍時の人になってしまった。  こうなると彼女を撮ったユーチューバーは誰なのか?となるところだが、以前から俺のユーチューブチャンネルに登録して視聴していた者たちの中で俺の友達や大学仲間もいるので学園内は素よりネット上でも噂は広がって俺は全国の人間の知るところとなった。だから俺も有名人になったかと言うと、顔写真も名前も公開してないので顔が知れ渡った訳でも名前が知れ渡った訳でもないが、ユーチューバーとして大化けしたのは確かだ。そして自ずと彼女と引き合わされる運びとなって学生割のカフェでお茶した時なぞはこれから未来に羽ばたこうとする若人同士の対談といった感じで意気投合したよ。で、彼女と知り合いになり、今では堂々と彼女の動画を撮影しているよ。勿論、間近で彼女の動きを捉えられるから色んなアングルで。時にはドアップで。あんまり調子に乗ると学ラン姿のにいちゃんに見るからに険のある形相で睨まれるが、応援の邪魔にならない程度にとどめ、偶に応援して見せればコンプライアンスを守ることになるのだ。何しろ応援団長もめろめろに魅了されて敵わない彼女の許しを得てのことだから。  それにつけても何でああも抵抗なく股広げるかなあ。而も弾けんばかりの快活な笑顔で。仮令が悪いようだが、与えられた任務が良心に反していても保身の為、同兵卒と共に捕虜を大量虐殺した日本兵のように与えられた役目が破廉恥であっても皆がやるんだし、正しいと自己欺瞞してやる内に羽目を外してしまう自分を止められないといった感じか。で、彼女ったら特別に時折、俺だけに向けてアドリブで大サービスしてくれるようになったんだ。つまりセックスアピールするようになったんだ。実は彼女、願ってもないことに俺の彼女になっちゃったんだ。こんなことってあるんだな、ま、しかし、彼女の動画をアップする度にバズって俺は学生の身でありながら彼女のお陰で儲け捲ってるし、彼女は彼女で俺のお陰で全国区のアイドルスターになれたんだから当然の帰結かな。だから不思議なようで不思議じゃないサクセスストーリーでした。
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