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「実は俺、怖くなっちゃって。母ちゃんに言っちゃったんだよね……」
次の日、友達はきまりが悪いように告げた。
「そしたら、めっちゃ叱られちゃってさ」
照れ隠しをするように言った友達に、俺は少し笑ってしまった。
「俺も、そんな感じ」
俺がそう言うと、友達は安心した様子で元気に言った。
「先輩には正直に言おうぜ」
「おう」
俺は昔、決して追いつけない存在に大きな憧れを抱いていた。
今では、俺と兄貴の身長の差なんて大きくないのに、兄貴のことが大きく見える。小さい頃と同じだ。
俺は兄貴のことが嫌いだった。
でも今は、兄貴への大きな憧れが俺の心を照らしている。
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