同居

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「咲良さん、料理がお上手ですね!!」 週末、マンションに経営役員メンバーが集まってホームパーティーをする事がある。 COO、CFO、CJO、CMO、CTO、CIOと、グローバルなアルファベット表記の役職名の私より若い男性達をもてなすのはかなり大変。 「咲良の手料理が1番美味しい!!」 高校時代の同級生だからか、弟キャラの地を晒している。 小学生時代は友達が居なかったけど、中学生からは支えてくれる友達ができて本当に良かった。 大事故での長期入院中に勉強に目覚め、独学で最難関中高一貫校に合格した頼翔君の地頭の良さには驚いた。 「咲良、CSOになる?」 「アルファベット表記の役職、意味不明なんですけど。家事労働はできても仕事のサポートは無理です」 オリジナル作品を売りにサブスクで成功したベンチャー企業。 東証1部上場も果たし、株価は鰻登り。 そんな会社の経営役員のメンバーに入るなんて、私には無理だ。 それに、頼翔君のお世話だけでキャパオーバー。 「咲良が引き受けてくれたら、もっと会社、大きくできるんだけどな?」 頼翔君の無茶振りにかなり困り果てていた。
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