異父姉妹

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異父姉妹

“明日、世那と玲那が遊びに行くから15時に京都駅に迎えに行って” 土曜日の夜、母からLINEが来た。 異父姉妹が訪ねてくる事はよくある。 東京にいた頃も何度か来て、渋谷原宿などのファッションの聖地に連れてかれ、異父姉だからと高級服やアクセサリーを買わされた。 地元は神戸で京都から近い。 これからは度々押しかけて来そうで気が重い。 「お姉さん!!」 京都駅の新幹線出口へ2人を迎えにいく。 母が見た目を気にする派手な人なのもあり、異父姉妹もおしゃれに余念がない。 濃い目のぱっちりメイクにお嬢様風ワンピース、ブランド物のショルダーバックにヒールの高いパンプスといった姿で現れた。 「お姉さん、あいかわず、女を捨ててる。このままだと結婚できないんじゃない?こんな姿で外出するなんて、恥ずかしくないの?」 パーカーにレギンスパンツのユニークロファッションの服装にスッピンの私を、1番下の妹、玲奈が会うなりにあざ笑う。 「お姉さん、さくらさくに就職したのよね。ねぇ、京大C7、紹介してよ!!」 神戸のお嬢様女子大に通っている世那。 優秀な彼氏が欲しく私を訪ねてきたらしい。 「京大C7って、何?」 「さくらさくの経営役員メンバーよ。そんな事も知らないの!!本当にさくらさくの正社員なの!!」 頼翔君を含むアルファベット表記の経営役員メンバーは、年頃の女性からC7と呼ばれていると知る。
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