忘年会

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「……ら、頼!!」 部屋に入った途端に私の体をぎゅっと抱きしめ唇を重ねた。 日本酒の甘い味が口の中に吹き込まれ、侵入してきた舌が私の舌に絡みついてきた。 「咲良、介抱してくれるよな?酒の効果か。咲良を抱きたくて堪らない。これが欲情ってやつか」 履いているパンプスを投げるように脱がし、私を軽々と抱き上げると、そのまま頼翔君の寝室へ向かい、ベッドの上に下ろす。 ベッドの上に座り込む私のコートを脱がせると、頼翔君もコートと上着を脱ぎ、部屋の中にあるクローゼットに片付けた。 「咲良、俺に大人の男女の営みってやつを教えて」 軽く肩を押され、ベッドに上がった頼翔君に押し倒され、両手を縫いとめられる。 欲情した瞳に見下ろされ、息を呑む。 「……私も経験ないし」 「良かった。咲良が他の男に穢されてなくて」 自称童○なのに手慣れている頼翔君は私に馬乗り、私が着ているワンピースを脱がせ、下着だけの姿にした。 ネクタイを緩め抜き取るとせかしくシャツのボタンを外し上半身の衣服を脱ぎ捨てると、ベルトのポックルをガチャガチャと外し、スラックスを脱ぎ捨てた。 「……頼翔君、男性機能、失ってるんじゃなかったの?」 大事故の後遺症で性欲が湧かず、激かわな女の子が側にいても反応しないと言っていたはず。 それなのに、ブラックのボクサーパンツはぱつんぱつんなぐらいに膨らんでいた。 「相手が咲良だからじゃない?咲良、責任とって、なだめて」 弟みたいに可愛がっていた頼翔君とこれから一線を越える戸惑い。 とはいえ、拒絶することなんて私にはできなかった。
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