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逃走
「今は歳の差をあまり感じないかもしれないけど、子供だった頼翔君を知ってるから頼翔君を夫にするのは無理」
歳の差5歳。
初対面は私が小6の時で頼翔君は小1。
私が高2の夏に頼翔君と引き離されたから、当時、体格差からかなり歳の差を感じた。
私にとって頼翔君は弟にしか思えない。
「クリスマスプレゼントはいらないからこれにサインしろと……」
大企業になったITベンチャー企業のCEOにクリスマスプレゼントなんかおごがましいから、クリスマスディナーを豪華にしようと考えていたら、婚姻届にサインしろと事前に渡された。
『できたら、クリスマス前に子供ができてたら嬉しいんだけどな』
絶対に妊娠は無い。排卵日前後は緊急避妊薬を服用しているから。
内臓疾患があって性欲ないと言っていたのに、イライラしてる時とか寝る前とか寝起きとかに私を押し倒す。
「咲良と幸せな家庭を築きたい。子供できたら、俺、弟扱いではなくなるし」
一生をかけて頼翔君を支えるつもりはある。
だけど、妻になるのは違う。
毎日平均5回は襲いかかる絶倫な頼翔君。
私以外に反応しないと言ってるけど、かなり慣れてる気がするから信用できない。
私が居なければ、他の女性を相手にするはず。
このまま、頼翔君と暮らしていたら、婚姻届にサインさせられる。
頼翔君が出張で家を空ける日の朝、最低限の衣服と通帳類だけ持ち出し、頼翔君が出張であまり出向かない四国へ向かった。
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