再会

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「咲良が俺の立ち上げた会社に入社してくれて、とても嬉しいよ」 「えっ、……ら、頼翔君が立ち上げた会社なの?」 サブスク系ベンチャー企業、株式会社 さくらさく は京都にある超難関私立男子校の生徒が立ち上げた会社。 サブスク系ゲーム開発会社として立ち上げ、今ではコミックから音楽、映画、ドラマ、と娯楽系のIT事業を手掛けている。 若いアイデアで業績を上げている。 「そうだよ。……CEOの名前、俺だけど、気づかなかったんだ」 「う、うん。頼翔君、立派になったね。良かった」 プログラマーが足りない世の中で派遣会社に違法にこき使われて社畜化していたから、時間に追われて会社概要を詳しく調べていなかった。 「無事に……生活が送れていて本当に良かった」 バイクで背中を轢かれ、内臓が一部潰れたと聞いてた。 生きてる事自体が奇跡に近い。 「背中の傷と後遺症は残ったけどね」 私に出会わなければ、外が真っ暗な時間帯に出歩く事はなかった。 小学6年生の児童だった頼翔君に迎えに来ないようきつく言うべきだった。 起業に成功した聡明な頼翔君。 リハビリと後遺症に苦しみながら苦労して会社を立ち上げたと思うと、涙が溢れ出てきた。
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