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「咲良、これからまた俺の側にいて、支えてくれる?」
「う、うん。私ができる事なら、なんでもする」
罪滅ぼしで頼翔君に尽くそうと心に決める。
だけど、ベンチャー企業のCEOになった頼翔君の役に私が立てるか悩む。
「じゃ、勤務先、今日から京都本社ね」
「えっ!?」
本店は東京にあるけど、本社は京都にある。
経営役員の大半が京都大学の学生。
頼翔くんも大学に通いながらCEOの仕事を熟している。
小学生の時、頼翔くんは私が作った料理で育った。
だから、私の手料理が恋しいのかもしれない。
仕事に関しては役に立てそうにないから、家政婦として頼翔君に尽くそう。
「辞令だから断れないよ。家具家電付きの直ぐに住めるマンションを用意してるし引っ越し業者も抑えてる。じゃ、行こうか」
頼翔君は私の手を取るとオフィスビルから連れ出すとタクシーに乗り込み、引越し業者が既に待っている私のアパートに向かった。
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