264人が本棚に入れています
本棚に追加
引越し準備と役所での手続き。
頼翔君が手伝ってくれたのもあり、3時間で終わった。
「咲良が作ったお弁当食べながら新幹線に乗るっていいな」
大手ベンチャー企業のCEOになったから、接待とかビジネスランチとかで、美味しい料理を食べてると思う。
作り置きおかずを捨てたくないと新幹線内で食べようと提案するも、貧乏臭くて恥ずかしくなる。
満面の笑みを浮かべ、大好物の煮込みハンバーグを頬張る頼翔くんを見るとほっとする。
私が作る料理がそこまで好きだったのかと思うと嬉しくてならない。
「咲良、ここが今日から暮らす家だよ」
京都駅側にある高層新築マンションの最上階の部屋に案内され、中に入る。
ルームシェアなのか生活感のあり、ずっと1人で暮らしていたから戸惑いを感じた。
「俺が小学生の頃、親父が出張で居ない時は俺の家に泊まって一緒に寝てたし、俺と暮らすの問題ないよな?」
「さ、……流石にハタチになった頼翔君と同居はまずいよ」
大人の5歳差と子供の5歳差は違う。
昔は保護者的な立場でいられたけど、今は同世代に見える。
最初のコメントを投稿しよう!