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「咲良、なんでもするって言ったよな?大事故で俺、内臓やられてるし、たまに古傷も痛む。看護して欲しい」
手に持っていた荷物を下に起き、ジャケットとVネックの白シャツを脱ぎ捨いだ頼翔君は、私に背中を見せた。
「もうこれ以上、背は伸びないと思うから傷まないと思うけど、この傷、猛烈に痛い。内臓やったからか胃腸弱くて食欲湧かなくて、咲良が作ってくれたご飯なら食べる気になるけど、それ以外は食べる気になれない」
右肩から左腰に斜めに入った傷痕。
背が30cmぐらい伸び、体の幅が広くなったのもあり、傷が伸ばされ、痛々しい。
「咲良、毎日、傷口に薬塗ってくれない。後、ご飯作って」
「う、うん」
断る事なんてできるわけがない。
大怪我を負わせた責任があるから。
「咲良、傷痕、舐めて?」
「えっ!?」
「治りますようにっておまじないして」
頼翔君の背中に両手をあて、傷口を舌で舐める。
こんな事して治るとは思えないけど、頼翔君の気が済むのならと丁寧に舐めあげた。
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