熊になっちまった

1/17
前へ
/28ページ
次へ

熊になっちまった

 夕暮れ時。建物も人も皆、西から来るオレンジ色の光に照らされている。  町中を歩いてる奴ら。その顔ぶれは多彩だ。黙々と歩いてる奴、くっちゃべりながら笑ってる奴、歩きスマホしてる奴、必死そうな顔しながら走ってる奴、等々……その顔ぶれは多彩だ。  だが、オレのことを気にしてる奴は、いなさそうだ。ちらっとこちらを見る奴は、時々いるのだが、たいして気に留めてないようだ。  だが、こうしていつまでものんきに歩いてるわけにもいかないだろう。  なんせ、オレは指名手配犯なのだから。  帽子やサングラスでなんとかごまかせてるようだが、いつまで持つのか。
/28ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加