僕の生きたかった世界で君を救いたい

何もできない

僕は神様。
でも、人間を守ることもできない、何もできない、何をしても良い結果を残せた試しがない。

僕を作った人は全員、すごく偉い人達で実績もあり、なんでもできる。
そして、僕を生み出し、見た瞬間、僕を失敗作と呼んだ。

僕は何年、何十年かけても、勉強もできなくて、羽根を広げて飛ぶことすらできない。
僕と同じ時期に生み出された他の神達はもう人間界に降りて、人間を守る仕事をしているのに。

そのうち、僕を作ってくれた神も同じ年代の他の神も、僕を無視するようになった。
もう用済みということなのだろう。
要らない神がどうなるのかは１番偉い神様しか知らない。
でも１つだけ分かっていることがある。

「成績の悪い神は１００年後までに姿を消す」
と言われている。

実際、失敗作と言われていた他の神もある日突然いなくなり、みんな何も言わない。
消された？体を壊された…？ということなのだろうか。

僕はもう７０歳。
その時がだんだん近付いていた。