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手紙
その日は突然、何の前触れもなくやってきた。
あれから同じ日々を送り、30年。
部屋のポストに手紙が入っていた。変わった色の付いた手紙だ。
僕はその封筒を持ち、ベッドに座り手紙を開いた。
内容は、呼び出しの手紙だった。
1番偉い神様、サシエル様からだ。
そして僕は手紙の通り、サシエル様の部屋へ向かった。
この部屋に入るのは100年ここにいて、初めてだ。
初めて見るサシエル様はどの神よりも体や羽根も2倍近く、大きい。羽根は他の神より、2枚多く生えている。
サシエル様が僕を見つけると、こちらへ向かってきて首を捕まれ、羽根を剥ぎ取り、そのまま僕は下界に放り出された。
僕はこのまま、地面か水面に叩き付けられ、真っ暗な世界にでも行くのだろう。
服が音を立てて揺れるのを見ながらそんなことを思い、静かに目を閉じた。
そこで記憶は途切れているが、目が覚めた。
結構意識が飛んでいたようだ。
周りを見渡すと見たことの無い場所だった。
白い布団に白い枕。
沢山の本が並んでいる棚。
体を起こそうとするが、腕しか動かず、体は起こせない。
布団を退けてみると、包帯が巻かれていた。
そして何か嗅いだことのない匂いがする。
しばらくどういうことなのか考えていると、部屋のドアが開いた。
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