できない会話

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できない会話

そこに現れたのは人間だった。羽の生えていない神ではない生き物。人間の少女のようだ。 少女はすぐに何か口を開いて喋り出すが、何を言っているのか分からない。 何かを聞いているようだが、言葉が分からない。 人間の言葉は勉強した。だが、できなかった。分からなかった。 どうしたらこの人間の言葉を理解し、会話ができるだろうと考えていると、人間は1度部屋を出て、何か茶色いカゴを持ってきた。 中に入っていたものを渡してきたので受け取ったが、何をするものか分からない。とても柔らかいもののようだ。 しばらく眺めていると、人間は机から紙と鉛筆を取り出し、何かかき始めた。 その様子を見ながら待っていると、かいたものを見せてきた。 人間が口から体に入れる姿が描かれている。 そしてその人間はカゴに入っていたものを取り、口に入れた。 僕は真似して欲しいという意味だと思い、口に入れる。するとふんわりと味覚を感じた。 こんなものを口に入れたことは無いが、人間は食べないと餓死すると聞いた。 その人間がまたカゴに入っているものを渡してくるが、その人間が心配になり、人間に返した。 すると人間は諦めたのか、カゴを持ち、部屋を出た。 何をしているのか見に行きたいが、体が動かない。 数ヶ月かそんな生活をし、少女が言っていることを僕はやっと少し分かり始めた。
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