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「新しいICチップはどうだ?」
「ああ、なかなか上手くいっているようだよ」
ライオンのたてがみのような髪が窓からの風に優しく揺れる。
「それにしても、デベソ型のICチップなんて需要あるのか?」
リアルな皮膚の色をしたそれを白い指先がパチンと弾く。
「人間は変わった物が好きだからな」
「まあ、そうでなくちゃ困るが……。AIも管理されているんだ。人間も我々に管理される。これが公平ってもんだろう」
「ああ、人間にはアイとか訳のわからないものがあるから厄介だけどな……」
〈完〉
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