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二人はお祭り騒ぎの街を堪能し、すっかり夕暮れ時になる。
「久しぶりに羽を伸ばせたな」
マルクエンが言うと、ラミッタもうーんと伸びをした。
「えぇ、そうね」
日が暮れた後も、街は火や明かりの魔法でキラキラと輝いている。
二人は高台からそんな街を見下ろす。
「綺麗な夜景ね」
「あぁ、まるで夜の星空が地上に落ちてきたみたいだ」
マルクエンがそんな事を言うと、ラミッタはケラケラと笑い出した。
「なにそれ、ロマンチスト? 吟遊詩人?」
「なっ、変だったか!?」
「いや、良いと思うわよ」
ラミッタは済ました顔で街を見下ろす。薄明かりに照らされた横顔をマルクエンは見ていた。
楽しい時間はあっという間に過ぎて、二人は城へと戻る。
明日からはまたキツい修行が待っていた。
日が昇り、新しい朝がやってくる。
今日も二人は朝食を済ませて地下へと向かう二人。
「おや、おはようございます。昨日は楽しかったでしょうが、気持ちを切り替えて挑まないと死にますよ?」
ヴィシソワは会うなり、そう言ってきた。
「あら、そのお言葉そのまま返すわよ」
ラミッタが言い返すとフフフと笑い、ヴィシソワは槍と盾を構える。
「っぐ!!」
ラミッタは地上に降り立ち、片膝をつく。
マルクエンもハァハァと荒い息をしている。
「まだまだ。ですね」
二人は今日もヴィシソワに勝てなかった。
訓練が終わると、二人は重い体を引きずって地上に帰る。
シャワーを浴びて汗を流し、夕飯をたらふく食べて、また明日に備えた。
そんな生活を繰り返し、二週間が経つ。
「今日こそ行くぞ!」
「えぇ、宿敵!!」
マルクエンの力とスピードは、昔よりも更に増していた。
光の刃を作りそれと共に突撃する。
ラミッタは地上を走るよりも早く空を飛べるようになっていた。
魔法の威力も上がっている。
マルクエンは地を駆けヴィシソワとの距離を詰めた。
光の刃で行動を制限させ、正面から剣を振るう。
速く、更に速く。重い攻撃をヴィシソワの盾に浴びせる。
「宿敵!!」
その声を聞いて、さっと身を引く。
ラミッタの魔法で創られた光の剣が地上に降り注ぐ。
ヴィシソワはドーム状に魔法の防御壁を築いた。
ここまではいつもと同じ。
「うおおおおおおお!!!!」
雄叫びを上げながらマルクエンは防御壁を剣で叩き壊す。
ラミッタが背後を取り、突きを繰り出す形で飛ぶ。
そのままヴィシソワを串刺しにしようとするが、槍で剣を空高く弾かれる。
だが、ラミッタは動じず至近距離で炎をぶちかました後、剣を取りに急上昇し、空中で掴み取った。
地上ではマルクエンがヴィシソワに向かって縦横無尽に剣を振るい、そこへ急降下したラミッタが剣を叩きつける。
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