真っ白な世界

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私の名前は伊藤海鈴(いとうかいり)。 本来なら高校卒業をして、今は大学か就職で頑張っているはずなのに。 どうやら、私は目が覚めた時は病院に入院していた。 最初は名前もわからなくて、家族さえわからない。 何故、現実にはあり得るのか記憶喪失になっていたのよね。 保護者として現れた櫂さんや紅葉さんを見て固まってしまった。 かなりのイケメンにスタイル抜群な櫂さん、日本人形のような美人の紅葉さんが現れて唖然としてしまったんだ。 だって全然似ていないじゃない。 それに、こういう時って普通は身内が来るのよね? 先生曰くご両親は忙しくて代わりに、友人がいらっしゃたんだ。 君の身元引受人としてね。 その話を聞いた私は固まってしまった。 暫く興奮状態だった間は面会禁止にはしてはいたけど、と先生は顔を曇らせていた。 運び込まれた時の記憶が全くなくて。 先生は詳しい事は教えてはくれなかったけど、目覚めた時は私の身体は至る所に包帯が巻かれていた。 かなりの痛みもあり、魘される事もあって。 鎮静剤と精神安定剤、生理食塩水等。 生きていく為には必要な処置を施されていたらしい。 どれぐらい集中治療室にいたのかはわからないし、個室にも移動された。 カレンダーは禁止になっていて、白い壁に囲まれたまま過ごしていた。 そうやって過ごしていき退院となって、日々過ごしていく中、現れたのかあの彼だった。
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