真っ白な世界

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「そ、そうなんですね。」 「ああ、その代わりに夜はバラエティーやドラマ等は見てもいいからね、伊藤さん。」 「あ、ありがとうございます。」 お礼を告げたけれども、なんとなく違和感を感じてしまう。 でも、記憶が無い私の身元保証人になってくれただけで感謝しなくちゃ。 「そう言えば、後藤さんは何の仕事をするんですか?」 「ん、俺か?簡単に話せばパソコンの情報処理みたいなものかな。」 「え、凄いですね!」 「いや、それほどでも。」 尊敬の眼差しで見る私に後藤さんは嬉しそうに照れる。 「資格が必要じゃなかったかしら、それ。」 「ん?通信制の講座に通っていたからな。もちろん試験も受けたぜ!」 「だったな、隆哉は頭がいいからな。」 どや顔をする後藤さんに櫂さんは頷いた。 「でも、新入社員なら残業はあると思うのに、何故海鈴ちゃんの付き添いを申し出たの?」 「確かにそうですよね。付き合いとかもありそうですし。」 「ん?帰ってきてからでも出来るぜ。俺はタフだからな。」 紅葉さんの不安な表情を見た後藤さんは、どや顔をしながらにかっと笑った。
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