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月夜の遭遇〜黒猫の招待
綺麗な月が出る夜。
僕はいけないことをしている気がする
普段は夜に出かけたりしないというか出かけることを許されない
今日は喧嘩して勢いで出てきてしまった
昼間とは違い街灯が光る街を見ることが新鮮で僕は喧嘩をしていたことを忘れていた
人が行き交う中、僕はあるものに目を奪われていた
そのあるものとは
「猫だ」
月みたいな黄色に光った目に
夜にとけるような黒い毛並み
僕を睨めつけるあの眼光から僕は目が離せなかった
昼間、見る黒猫とは違い魅力が増していた
黒猫は僕と睨み合いをした後
ついてこいといわんばかりに
にゃーんと鳴いた
その魅力に引かれた僕は無意識にでも
足が黒猫を追いかける
黒猫は足早に進むが僕の様子を見ながら
早いと止まり僕を誘うように進む
街中を超え、黒猫が連れてきた場所は
小高い山の上だった
黒猫は上を見上げながら一声鳴いた
そして僕は同じように上を見上げて見た
そこには満天の星
街中では見ることの出来ない星空だった
そう。
僕はこの星空を見たかった
喧嘩した理由もこれだ
星が見えない!と決めつけた親と
どうしてもみたい。おばあちゃん家に行った時には見えた!!
だから見えると譲らなかった僕
ほら、こんなに綺麗に見えるところあったんだ
黒猫にお礼を言いながら
僕はお家に帰る
帰った僕はめっちゃ怒られたとともに
ごめんね。の言葉と抱きしめてくれた
冷えきった体が少しずつ暖かさを取り戻しながら涙を拭いた
お母さん
この都会の街でも星が見てるところがあったよ
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