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『ありがとう 高橋美花』
卒業式の日に、貸していたハンドタオルと一緒に俺の靴箱に押し込まれていた手紙。
小四の頃からかな?ずっと好きだった。向こうも俺の事を好きなのは分かっていたけれど…付き合うとかって良く分からずに、結局伝えないままだった。
4月から俺たちは別々の中学に通う。
だから伝えておこうと思った。
このまま卒業して会わなくなってとか…普通に無理だし。
空っぽになった靴箱の脇で高橋を待っていた。
「…渋谷?」
ジャケット姿の高橋がいつもより少し大人っぽく見えて、少し顔が熱くなった。緊張していたせいかぶっきらぼうな話し方になってしまった気がする。
「…分かってると思うけど好きだから」
高橋は相当驚いていた。俺が好きだという事には気付いていなかったらしい。
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