十一章 “りりあ”と“けい”

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「でも本当連絡もよこさないであいつらなにしてるのかな。 もしかして喧嘩??」 「ーーそんな連絡もよこせないような喧嘩をするようには見えないけどね」 「まあそれもそうよね。あ」 「ーーいたの?」 立ち止まった梨里杏に合わせて京も一度立ち止まった。 「ううん。ちょっと待ってて」 梨里杏は首を振って気になった方向に駆けていった。 キョロキョロとしていたおばあちゃんに梨里杏は躊躇いなく声をかける。 どうやらおばあちゃんは駅を探していたようで梨里杏は詳しく道を説明してあげた。 おばあちゃんはお礼に持っていた団子を梨里杏にくれた。 「お待たせ」 意外にもちゃんと待っててくれた京の元に梨里杏が駆けてくる。 「君ってあいつと似てるよね」 「あいつ?」 「分からないならいいや」 京のいいたいことは本当は梨里杏には分かっていた。でも分からない振りをする。 「団子食べる?」 「いらない」 はぐらかして問いかけると京に即座に拒否される。梨里杏は思わず苦笑した。
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