十章 望まれた命と望まれなかった命

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あんなことが起きたのに光の世界は変わらず明日がやってきた。 まあ本当ならば明日など来なかったという可能性もあるのだが。 京の父がゲームの中に人々を閉じ込めてヒカリと共に暮らすという計画は崩された。あれから京が『ソウルフェイズ』の運営を乗っ取ったらしい。 京の父が失踪したから執事に懇願され、断れなかったらしい。 11歳で実質、裏の取締役とか凄すぎないか?光は思わずにやけてしまった。 まあ自分のことじゃないのだが友達がそうだとやっぱり自分のことのように感じるものだ。京は否定するかもしれないが、友達で、仲間で、家族でもあると光は思っている。 だが京の父が権力もなにもかも捨てて失踪したとなるとここまでのことをしといてなにも企んでないことはないはずだと京は言っていた。 そんなこと光たちが考えても分からないからこうしてまた普段通り学校に通っているのだが。 「おはよー」 今日は割と早く来れたので教室にはまだ命しか来ていなかった。恐らく進は来ているだろうが朝練だろう。 「おはよう」 相変わらず命はもじもじと恥ずかしそうに挨拶を返す。
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