十章 望まれた命と望まれなかった命

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「みこっちゃん、いつもこんな早いの?」 「うん。早くきて本読んだりするのが好きで」 「ヘェーどんな本読むの?」 「最近はファンタジーが多いかな。『ソウルフェイズ』で結構ファンタジーに興味もっちゃって」 「なるほど」 「あの…」 命は何か言いたげに本をパタンと綴じた。 「どうしたの?」 「……その、大丈夫?」 命たちも光と京の事情は知っている。だからこその心配だろう。 「あ~大丈夫大丈夫、なんだろう思ったより実感湧かなくてね」 「…そう。良かった…いや、よくはないけど」 命は安心したように呟くとあっと思ったのか顔を真っ赤にして弁明した。 「いつも通り付き合ってくれれば大丈夫だよ~」 「えっ付き合う???」 「ん?ゲームに」 「あ、ゲームか。そうだよねあはは」 「はよーっす」 「おお。愛ちゃん早いね!」 「まあなー今日もショートカット登校してきたからな!」 「ショートカット登校はやめたほうがいいよ人ん家の塀とか屋根とか庭通るやつでしょ?」 愛の後ろからあきれた声でななめが言いながら入ってくる。
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