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高志が焼いてくれたお肉をカセットコンロで温めながら頂く。 『すごい美味しい!』と高志を振り向くと『だろー!』と言ってビールをついできた。 美味しいお料理と温かいコタツとストーブ、顔に当たる冷たい空気、そして久しぶりの雰囲気にお酒が進む。 4人でゆっくり会うのは、2人の結婚祝い以来。 優が亡くなって、3年くらいは命日に集まってお墓参りをしていた。 その後慌ただしい就職活動を経て就職し、みんな忙しくなって命日に集合はしなくなっていた。 でも4人で会わないまでも、由香とは2人で会っているし、直哉も高志とは頻繁に連絡を取っているらしい。 そして私と直哉も毎週金曜日は用事が無ければ一緒にご飯を食べるし、土日のどちらかは必ず会っている。 大学生の頃からずっとこんなふうに過ごしている。 だけど私達は恋人じゃない。 ‘恋人だった’こともない。 お互い他に彼氏彼女がいるわけでもない。 しばらく飲みながら食べながら近況を報告しあった。 一級建築士の高志はそろそろ独立を考えているそう。 看護師の由香は世の中が落ち着いてきたので、今は少しセーブしながら働いるらしい。 『子どもも欲しいしね。』って高志の方を見てニカッと笑った。 2人は高校2年生から付き合いはじめ、そのままお付き合いを実らせて結婚した。 すごくお似合いの夫婦で、お互いを労り、補い合いながら暮らしているのがよくわかる。 2人と一緒にいると温かい気持ちに包まれるのと同時に、私には無いものを突きつけられて淋しくなるのも本音だった。 そんな自分を非難したところでキリが無いから、淋しいなぁ…と思う気持ちはそのまま放っておくしかない。 私と直哉はそれぞれ別の精密機器メーカーに勤めている。 お互い普通のサラリーマン。 私はあまり代わり映えしないが、10月から主任に昇格した。 直哉は来年あたり転勤がありそうだと言った。 ずっと一緒にいるけれど、それは初めて聞いた。
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