もっとずっと好きがいいの!

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 好きのハートを一つガラス瓶に落とす。このハートの意味を知った時に、君はどんな顔をするんだろう。いつかは、君への想いで私の世界は埋まっちゃうような気がしてる。 「また、ハート折ってんの?」 「そうだよー」  なんてことないふり。普通のふり。だいぶ上手くなってきたのに、体は言うことを聞かなくて心臓がバクバクと大きな音を立ててる。 「それ、なんなの?」 「だから、秘密!」 「秘密ってなんだよ」  璃虎(リコ)が私の顔を見て「意味わかんね」とか言いながら笑うから、またハートを折りたくなった。璃虎は中学からの友達で、私の好きな人。  そして、それは、叶わない恋だ。  璃虎にはずっと好きな人がいる、らしい。私には教えてくれないけど。 「早く帰るぞ、こころ」 「うん、帰るけど、帰るんだけど、いつから、一緒に帰ることになってるの!」 「え? そんなの前からだろ」  私のカバンを持ち上げて、当たり前のように横に並ぶ。当たり前のように並べる今が嬉しいくせに、憎まれ口の繰り返し。そんな毎日、一人になれば脳内反省会をしてしまう。  璃虎からカバンを奪い取って、忘れないようにハートを詰め込んだガラス瓶を入れる。私の具現化した、璃虎への想いなんだぞ! なんて、口にはしないけど。
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