17人が本棚に入れています
本棚に追加
好きのハートを一つガラス瓶に落とす。このハートの意味を知った時に、君はどんな顔をするんだろう。いつかは、君への想いで私の世界は埋まっちゃうような気がしてる。
「また、ハート折ってんの?」
「そうだよー」
なんてことないふり。普通のふり。だいぶ上手くなってきたのに、体は言うことを聞かなくて心臓がバクバクと大きな音を立ててる。
「それ、なんなの?」
「だから、秘密!」
「秘密ってなんだよ」
璃虎が私の顔を見て「意味わかんね」とか言いながら笑うから、またハートを折りたくなった。璃虎は中学からの友達で、私の好きな人。
そして、それは、叶わない恋だ。
璃虎にはずっと好きな人がいる、らしい。私には教えてくれないけど。
「早く帰るぞ、こころ」
「うん、帰るけど、帰るんだけど、いつから、一緒に帰ることになってるの!」
「え? そんなの前からだろ」
私のカバンを持ち上げて、当たり前のように横に並ぶ。当たり前のように並べる今が嬉しいくせに、憎まれ口の繰り返し。そんな毎日、一人になれば脳内反省会をしてしまう。
璃虎からカバンを奪い取って、忘れないようにハートを詰め込んだガラス瓶を入れる。私の具現化した、璃虎への想いなんだぞ! なんて、口にはしないけど。
最初のコメントを投稿しよう!