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家に着いたのは午後七時をまわってからのことだった。
「あんた今日遅かったね」
と母に言われた。
「ちょっと学校で用事があってね」
と誤魔化してしまった。なんとなく誰にも知られてはいけない気がした。
「そうなの。とりあえずご飯できてるから食べなさい」
「わかった」
ご飯を食べたら卒業生の失踪のことを調べようと決めた。
事件はどうやら十五年前に起こったものらしい。人気小説家だった狩野雪乃さんが
『明日の鍵』
という小説を書いたことを最後に姿を消したというものだった。本の題名は手がかりになるかもしれない。ノートに事件の概要と、本の題名を控える。変化が現れる本というのは
『明日の鍵』なのだろうか。もしそうなのだとしたら、本を探すことから始めければいけない。明日彼に言ってみよう。何か彼も手がかりを探してくれているかもしれない。
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