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仕事が終わって碧と亜蓮は莉空と3人[cafe莉]を訪れた。
京輔と遼太郎には今夜は遅くなるとメールがしてある。
碧と亜蓮が未住帆を訪ねたのは、結婚式の礼を言うためだった。
あの日神父と共に行われた厳かな式に莉空と未住帆が同席していたことは嬉しさを倍増させた。
共に男性を好きになり、表立った結婚式など夢にも思っていなかった。
これまで誕生日のケーキすら目にしたことはなく、祝ってもらったこともなかった。
碧も亜蓮も似たような境遇で育ち、遠く離れた違う国に生まれ育った二人が京輔と遼太郎という二人の男性に愛され、生涯を共にする誓いの儀式を挙げられた事は奇跡だと言ってもいい。
その奇跡を共に祝ってくれた莉空と未住帆、二人にも同じ幸せを味わってほしかった。
母親が違うとはいえ同じ父親の血を引く兄弟が禁忌を犯し愛し合った。
だからと言って誰にも彼らを非難することは許されない。
表面上は兄弟でも恋慕の情で結ばれたのなら、せめて自分たちと同じように式を挙げてほしかった。
碧がそのことを二人に提案すると、莉空も未住帆もお互いの愛の証として式を挙げることに賛同してくれた。
碧は京輔に連絡を入れすぐに二人の式の予約を入れた。
式は碧達が挙げたあの場所で2か月後と決まった。
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